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​森のマルチワーカー

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​∼ はたらく人の声 ∼

​​2022,1,8

組合では現在、2名の職員が森のマルチワーカーとして働いています。一期生でもある二人に、​マルチワークという働き方、興味を持ったきっかけ、松野町での暮らしなど、実際の現場の様子を聞いてみました。

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中山彩風

埼玉県出身。自然の中にいるのが大好き。大きな環境の変化を求める中で、松野町のエネルギー溢れる美しい大自然と、町の人の優しさに触れ、移住を決意。

湯川彗太

兵庫県出身。大学卒業後、会社員として4年間石川県にて勤務。退職後に夫婦二人で移住先を探す為に日本一周旅をスタート。2022年7月に松野町に移住。

⋄ どんな経緯で森のマルチワーカーに?

(湯川さん) 大学卒業後、金沢市でメーカーの営業マンをしていたのですが、この仕事をずっと続けていくイメージが持てなくて、5年目に入る半年前頃から転職を考え始めました。もともと妻と一緒にいつかは田舎暮らしをしてみたいと話していたこともあって、当時気になっていた長野県から移住先を探し始めることにしました。

地域おこし協力隊に応募したり、妻は現地のケーキ屋さんへ面接へ行ったりと動き出したのですが、途中から「長野県に絞ることもないか」となり、思いきって仕事を辞めて二人で『移住先探しの車旅』を始めました。

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その旅先で、以前から利用していた移住支援サービスの「SMOUT(スマウト)」でいま働いている組合の求人記事を見つけました。マルチワークという働き方自体はその時初めて知ったのですが、もともと僕自身やりたいことが明確にあるという感じではなく、一つの仕事を選ぶような決定打もなかったので、色々な仕事を経験できる働き方が魅力的に映りました。そのタイミングで組合の方から自分へスカウトメッセージが届き、ちょうど旅の行程的にも愛媛県へ入るところだったので、そのまま現地視察をさせてもらい、応募に至りました。

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(中山さん) 私はもともと、5年前に松野町内の事業者が参加していた「ふるさとワーキングホリデー」という制度を利用したことをきっかけにここの環境が気に入って、それ以来、毎年夏は松野町に訪れるようになりました

その時のワーホリ先だったのが、今の組合の夏の現場にもなっているアウトドア会社でした。1年目はワーホリだったのですが、年目以降は個人的に通うようになって、その間も事業者さんからミカンが届いたり、年賀状を送り合ったりというやり取りが続いていました。4度目の夏の終わり頃に、事業主さんから「来年から、こっちでマルチワーカーとして働くのはどう?」という感じでお話を頂きました。もともと町の雰囲気が気に入っていたし、自分の世界を広げる良いきっかけになる思い、応募することにしました。

⋄ マルチワーカーという働き方は以前から知ってましたか?

(中山さん) 知ってました。メディアでちょこちょこ聞くようになってたのと、最初のワーホリ以降、実際に夏だけ現場に入る人や、それが終わったら農業をやったりしている人を毎年見ていたので、具体的なイメージも持つことが出来ました。しかもその人たちが長年ずっとその形で働いていると知って、「あ、こっちでは仕事の掛け持ち自体が自然なことなんだ」って思いました。

⋄ 実際に働いてみて、印象的だった現場やシーンはありましたか?​

(湯川さん) パッと浮かぶのはやっぱりキャニオニングのガイドですお客さんに直に接する仕事というのがこれまで経験がなくて、最初は「自分には向いてないんだろうな」と思っていたのですが、実際始めてみると自分も楽しくて、お客さんも楽しそうで、最後にはすごい笑顔で帰っていくお客さんを見送るうちに「接客業の楽しさ」を感じられるようになりました。

1日コースプランのお客さんとはお昼ご飯も一緒に食べるので、終わるころにはホント仲良くなれて毎回の出逢いが楽しいです。

ある1日コースプランの時に、一人のお客さんが滑って転んでしまったんです。足首を捻ってしまってて、そこからその人を背中におぶって下山することにしたんですが、かなりキツい。僕もキツいし本人も痛みでしんどそうだったのですが不思議と会話が楽しくって、最後に「また来年リベンジするねー!」と言って笑顔で帰ってくれた時は達成感を感じました。

また来てくれるかなーって、今から今年のシーズンがすごい楽しみです。

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(中山さん) キャニオニングは勿論なのですが、それとは違ったタイプの接客業として、道の駅での店頭スタッフも新鮮でした。

地元の農家さん達が店内に並ぶお野菜とかを毎日届けに来てくれるんですが、その運び入れる様子だったり、陳列の仕方から自分の農作物への愛情がとても感じられて、自分もその想いをお客さんに伝えられるように頑張りたいって気持ちになります。
 

キャニオニングの現場は町外のお客さんとの一期一会の出逢いが多いのが魅力で、生産者さんをはじめ地域の人たちに毎日接する道の駅には、また別の接客業の魅力があるなあと感じました。

実際に、道の駅で働いた期間で地域の人たちとの繋がりも広がって、道端で話しかけられる機会も増えました。

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松野町については、どんな印象ですか?

(湯川さん) 田舎というとプライバシーがないというか、地域の人との距離感に漠然と不安があったんですが、実際住んでみたら想像してたような干渉はなく「丁度いい」という印象でした。このあと自分の方からもっと動いていったらこの距離感もまた変わっていくんだろうなという感触があります。

僕らは今住んでいる家(移住者専用住宅)に入る前に1カ月間、別の地区の家に借り暮らしさせてもらってたのですが、そこの家主のお父さんお母さんとは今でも仲良しで定期的に会いに行ってます。そういう思いがけない繋がりが出来たことも嬉しかったです。お店とかは少ないんですが、外食が減った分、家で自分たちでなんでも作るようになったし、植物が好きな妻は家の中を緑で一杯にしたりして、結構楽しんでいます。仕事が基本9時ー17時で終わることもあって、プライベートでも余裕をもって暮らせてますね。

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​(中山さん) 来る前はもっと虫に悩まされることを覚悟してたんですけど、「あれ、意外と全然ない!」ってなりました。家のある場所にもよるみたいですけど。

あと移住前は、孤立しちゃうんじゃないかっていう不安も強かったです。

でも来てみてすぐ、大丈夫だと分かりました。同じ移住者住宅に住む湯川さんご夫婦と家で餃子パーティーしたり、役場の職員さんが同世代ぐらいの地域の方と繋いでくれたり、はたらき先の現場から知り合いが広がったりしていくうちに、安心に変わっていきました。​

​一つの場所や一人の人と繋がると、そこから次々広がっていくのを感じられたことが良かったです。

⋄ マルチワーカー後の展望があれば、教えてください。

(湯川さん) 元々パティシエをしていた妻が自分のお店を開きたいという夢を持っているので、いまそれに向けて色々考えています。当初は、妻がお店をやって自分は別の仕事をとも考えていたのですが、いまは僕も一緒にお店を出来るかもしれないと考えてます。

僕自身コーヒーがとても好きで、毎朝豆を挽いてコーヒー入れているんですが、お店ができたら焙煎にも挑戦してみたいなと。

 

開業には物件確保や改装など準備も色々必要なので、まずはじっくり時間をかけて周辺の空き家探しから始めたいと思ってます。

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(中山さん) 私の場合は、先に何か決めているものがあるわけではないのですが、「この先もやりたいこと」を意識にしながらマルチワーカーとして働くようにしています。

特に、地域のお客さんや生産者さんとの長いお付き合いが想像できる道の駅のお仕事に今は魅力を感じています。いま現場で接している地域のおじいちゃんおばあちゃんや、子どもたちとこの先も関わっていけたら素敵だなって思います。

実はマルチワーカーになる前はずっと福祉のお仕事に惹かれていて。いまもその気持ちは残ってはいるんですけど、マルチワーカーになったことで自分の知らなかった仕事の魅力だったり、自分が好きなことも前よりわかるようになってきて、なってみてよかったって思います。

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組合では、今後も二人の活躍を追いつつ、それぞれの目標へ向かう姿をここで発信していきたいと思います。

ラスト
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